医師・歯科医師の債務整理

医師や歯科医師の方々からの借金問題のご相談も、実は結構お受けしています。

これらのご職業は所得が高いことから、債務額もかなりの高額に上っていることが多いという実感があります。

ただし、選択する手続きは、勤務医と開業医とで大きく変わってきます。勤務医の場合には、通常の会社員と同じく、給与所得者として自己破産・個人再生・任意整理の中から適当な手段を選択することとなります。面白いのは、通常の会社員でしたら不可能な金額の債務を、任意整理で終わらせるということがあります。普通のサラリーマンですと、1000万円を優に超える債務を任意整理で支払っていくという芸当はなかなかできないと思いますが、さすがお医者さんパワーといったところでしょうか。

しかしクリニック等をご自身で経営されている場合には、かなり複雑な手続きとなります。開業にあたり日本政策金融公庫等から多額の借入を行っていることがほとんどですので、さすがにこれは任意整理で解決できる金額ではありません。また、医療機器のリース契約等もあり、その対象となっている物件を引き上げられてしまうと、たちまち診療ができなくなるというケースも想定されます。従業員も多数雇用していることがほとんどでしょう。税金の滞納額が多額に上っている場合もありますし、診療報酬が差押を受けていることもあります。そして、廃業するとなると、患者さんにも迷惑がかかることになります。

案件によりますが、M&Aをお勧めする場合があります。当該クリニックを第三者に適正な価額で買い取ってもらい、その後、同クリニックで引き続き雇用してもらうことにより、従前どおりの診療を継続することができるのであればベストです。そして、前院長は自身の残存債務を自己破産で処理するということになります。数件そのような内容で助言差し上げたケースがございますが、今のところこのスキームで成功した案件は当事務所ではありません。M&Aのマッチングが成功するか否かがカギとなりますが、なかなか難しいといった現状があるようです。

これが無理な場合には、通常の法人破産(あるいは個人事業主の破産)と同様に手続きを進めていくこととなりますが、上に見たようなハードルが多数ございますので、かなり複雑で困難な手続きになることを予め覚悟せねばなりません。

医師や歯科医師の方々で借金問題にお悩みの方も、神戸のシャローム綜合法律事務所までお気軽にお問い合わせください。詳しくは、下のバナーをクリックください。

(弁護士 中川内 峰幸)