2018/08/16
世間ではまだお盆休み真っ只中という感じでしょうか。当事務所は、お盆の期間も誰かが事務所に出てくるようにしておりますので、何かご用件がありましたら対応が可能であるようにさせていただいております。
さて、一方裁判所は、毎年7月21日から8月31日までの間、「夏期休廷期間」なるものを設定しています。この間、部や係ごとにそれぞれずらして3週間程度のお休みをとっているようですね。当事務所と同じように、職員がずらして休みを取りますので、裁判所に電話をかけると誰かしらが対応してくれます。が、この期間中、期日は一切入りません。ですので、その結果何が起こるかというと、夏期休廷前後の期日の集中・混雑です。 事件を寝かせたくない裁判官は、休廷前に期日を入れたいと思いますし、また、休廷期間中も申立はできることから、その間にたまっていく事件の存在等もあり、9月前半はなかなか期日が入らないといったことになります。それゆえ、7月に期日があった事件の次回期日は9月後半(場合によっては10月)、といったことも一般によく見られます。 裁判所を利用する国民の側からすると、「ただでさえ裁判は時間がかかるのにたまったもんじゃない」「やっぱりお役所仕事だよなー」といったところでしょうか。
ただ、決して裁判所の肩を持つわけではないのですが、裁判官もこの夏期休廷中に遊び惚けているわけではないようです(なかにはそういう方もいるのかもしれませんが。)。この休廷期間に、溜まっていた事件の記録をじっくりと読みなおしたり、思考の整理をしたりと、何かしら自らが抱えている仕事に時間を割いているようです(これは私の修習中の記憶です。)。
一方、我々弁護士も、この夏期休廷期間に、溜まっていた起案や調べもの等に時間を充てることができるので、ある意味「助かる」といった側面があるのは事実です(うらやましいことに、毎年この時期にバカンスに出掛ける弁護士も知っていますが。)。ただし、起案の最中に依頼者に事実の確認をしようと思って電話をかけても、依頼者(法人)もお盆休みに入っていて連絡が取れず、結局起案が進まない、といったこともあります。また、同じく公証役場もこの期間に夏期休暇が設定されているようで、公証人がお休みのため公正証書が作成できないということもあります。どうやら、皆さんが休んでいるときにあわせて自分も休むのがいいのかもしれませんね。
しかし、銀行も夜間休日24時間ネット即時振込が(ようやく)実現されることになる今日、これだけの長期に渡り期日が入らないというのも、よく考えると不自然に思えます。弁護士はこの数年でかなり増員がなされ、様々な議論が沸き起こっていますが、司法試験合格者のうち、単純に裁判官の任用数を増やせばいいのではないかと思うのですが、あまりそのような声は聞こえてきませんね。
(弁護士 中川内峰幸)