2024/07/11
借金問題でお困りの方は、あらかじめご自身で債務整理につき色々と情報を収集されることと思われますが、ネットで検索すると、「国が認めた借金救済制度」だとか「国が認めた借金減額制度」などといった表記が目に付きます。SNSなどでも広告が出現します。これは一体何なんでしょうか?
実は、私も初めてこのような表記を目にしたとき、「一体、本当にそのようなものが存在するのか?」と驚いた記憶があります。
が、ふたを開けてみると、何てことはありません。単なる債務整理のことを言っているだけです。すなわち、自己破産、個人再生、任意整理、時効援用、過払金返還、特定調停などの通常の手続を差して、「国が認めた借金救済制度」などと称しているだけのようです。もしそうでないのであれば、詳しく教えてほしいところです。
たしかに上記自己破産等は法律に規定されており、裁判所を利用する手続ですので、「国が認めた」といっても嘘ではないのかもしれません。少なくとも国はその存在を否定していません。しかし、あたかも以前には存在しなかった「救済制度」を国が新たに認めたとの誤認を生みそうな表記です。また、任意整理に関しては裁判をせずに弁護士が債権者と交渉する手続ですので、「国が認めた」という表現は適当ではないと思われます。宣伝文句に過ぎないといえばそうなのでしょうが、あまり品がよいとは個人的には思えません。過払金のCMもうんざりですね。
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(弁護士 中川内 峰幸)