2024/12/19
Q.子どもが私立学校に進学した場合、その費用を婚姻費用や養育費として請求することはできますか?
A.
子どもの教育費用についても、算定表により算出される婚姻費用や養育費の金額に含まれています。もっとも、算定表で考慮されている教育費の額は公立中学校・公立高校に関する学校教育費を前提としています。そのため、私立学校などに進学する場合に、その費用を増額して請求することができるのか問題となります。
公立学校でも十分な教育が受けられる環境が整っているため、親の義務としては公立学校へ就学させることで足りると考えられています。そのため、婚姻費用や養育費として教育費用を支払う場合には、公立学校に就学するための必要な費用を支払う義務はあるものの、これを超えて私立学校などの費用を支払う必要はなく、義務者(支払う側)が承諾した範囲で、支払い義務を負うと考えられています。
したがって、私立学校の費用の支払いを求める場合には、相手方が承諾をしているかどうかが問題となります。例えば、別居以前から子どもが私立学校に進学しており、相手方も異議を述べていなかった場合には、承諾があったものとして別居後も私立学校の費用を請求することができます。また、承諾がない場合でも、義務者(支払う側)の収入、学歴、地位等から私立学校での就学が不合理でない場合に、請求が認められた事案もあります。
離婚や養育費でお悩みの方は、シャローム綜合法律事務所までご相談ください。