花粉症

花粉症です。

例年、この時期から5月の連休ぐらいまでは鼻水とくしゃみ(それとのどの痛み)に悩まされます。若かりし頃、まだ花粉症になっていなかった時分には、何かしら自分の人生にも新しい出来事が始まる(ような予感のする)春は、個人的には最も好きな季節でしたが、花粉症になってからというもの、その楽しみを奪われた感じがします。

国の植林行為あるいは実効的な花粉症対策をしないという不作為をとらえて国賠(国家賠償請求訴訟)することができないか、という声を時々聞きますが、誰か本当にやってくれれば少しぐらいは応援したいと思います。過去に実際、国賠を起こされた方がいるという話も聞きますが、判例がみつかりませんのでその真偽及び内容はわかりません。

調べてみたところ、花粉症に関する判例としては、特許関連のものが多いのですが、ちょっと変わった判例がありました。 「受刑者が、刑務所職員に複数回にわたり花粉症の症状を訴えたにもかかわらず、医師の診察等がされないまま放置されたとしてした国家賠償法1条1項に基づく慰謝料請求が、一部認容された事例」です。裁判所のHPから全文を読むことができますので、興味のある方はご覧になられたらと思います。

おそらく、このような事件の背景には、「たかが花粉症」という発想が存在しているのではないでしょうか。しかし現実に花粉症により日々のパフォーマンスが低下している者からすると、「されど花粉症」なんですよね。 なお、花粉症は日本特有の疾患ではないようです(ICDー10にも分類されています。)。また、不勉強で知りませんが、花粉症向けの保険商品などはあるのでしょうか。もはや国民病とも言われる花粉症、製薬においては巨大なビジネス市場ですが、我々弁護士にとってブルーオーシャンとはならないでしょうか?

(弁護士 中川内峰幸)