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M&A仲介15社に是正措置、中企庁の処分は妥当か(東洋経済オンライン)

M&A仲介15社に是正措置、中企庁の処分は妥当か(東洋経済オンライン)

東洋経済新報社・髙岡健太記者による特集の最新記事です。

M&A仲介15社に是正措置、中企庁の処分は妥当か 被害者からは「処分が緩い」との指摘も | 特集 | 東洋経済オンライン

中小企業庁の処分が緩いという意見は理解できます。ただ、この点につきましては、朝日新聞の記事によると、「今回の処分は2020年策定のガイドライン(指針)に照らして判断した。指針はその後、昨年9月と今年8月に改定している。経営者保証解除の履行や利益相反防止のルールが以前は緩かったため、厳しい処分を出せなかった面があるとみられる。」とのことですので、先日改訂されたガイドラインが適用されることとなる今後は、社名の公表もあり得るのでしょうか。

業界団体であるM&A仲介協会が悪質な譲受事業者の情報共有を目的として特定事業者リストなるものの運用を始めたとのことですが、悪質なM&A仲介事業者のリストを作成すべきとの声が大きくならないことからも、同協会の自浄作用には限界を感じずにはいられません。

M&Aトラブルでお困りの方は、シャローム綜合法律事務所までお問い合わせください。

(弁護士 中川内 峰幸)

M&A仲介会社に対する責任追及について、弁護士にご相談ください【M&Aトラブル】

M&A仲介会社に対する責任追及について、弁護士にご相談ください【M&Aトラブル】

「M&A仲介会社に対して責任追及できないか」というご相談が増加しております。

従来、表明保証違反等のM&Aトラブルが発生した場合、その損害賠償や補償請求は、取引の相手方(売主や買主)との間でまず考慮されるべき問題でした。

もっとも、その際にも、M&A仲介会社が杜撰な業務をしたことに起因して当該トラブルが発生したと思われるケースにおいては、同仲介会社に対する責任追及も検討はするのですが、諸々の事情から、仲介会社への責任追及はハードルが高く、現実的でないという結論に至ることも少なくはありません(これが認められたという判例も、実際のところあまり多くはありません。)。

しかし、昨今の報道にあるように、M&A仲介会社が自社の利益を追求するあまり、買主の素性や財務状況を適切に調査することもなく強引に仲介を押し進め、取引をクローズさせ、かつ仲介手数料だけはしっかりと取り、その後に発生する紛争に関しては我関せずというスタンスを採るという一連の事件を見るにつけ、M&A仲介会社に対する請求も積極的に検討していかなければならない時期に差し掛かっているのではないかと考えます。

ルシアンホールディングスを皮切りに、トウキョウファーム、ジョイワーク、ANEW Holdings、そして旧・MJG(旧・日本マニュファクチャリングホールディングス、現・日本製造)と、意図的にM&Aを不正な目的で利用した可能性のある企業が続々と明らかになってきております。また、これら以外の悪質な買い手の情報も、当事務所には寄せられております。

そして、これらの仲介に携わった業者としては、日本M&AセンターやM&A総研といった名前が報じられています。M&Aの経験がない者からすると、上場している有名な仲介会社だから安心だろうと考えるのも無理からぬところですが、実際には杜撰な仲介の犠牲者となってしまったという構図です。

このような被害をこれ以上発生させないためにも、また被害者救済という観点からも、M&A仲介会社に対する責任は強く問うていくべきではないかと考えます。

・M&A仲介会社のせいで変な相手方と取引をしてしまい、トラブルとなっている。

・M&A仲介会社の紹介したM&Aが失敗して大変な状況になっているのに、M&A仲介会社は「アドバイザリー契約が終了しているので相手方と直接話してください」というだけで関わろうとしない。

・M&A仲介会社に損害賠償を請求したくても、アドバイザリー契約に規定されている請求期間が既に過ぎてしまっている。

・M&A仲介会社に対して仲介手数料の返金を請求したい。

・M&A仲介会社に対して訴訟を提起したい。

このようなお悩みをお持ちの方は、シャローム綜合法律事務所まで是非お問い合わせください。詳しくは、下のバナーをクリックください。

(弁護士 中川内 峰幸)

契約直前の「提案」、引き抜かれた5億円 日本M&Aセンターが仲介(朝日新聞)

契約直前の「提案」、引き抜かれた5億円 日本M&Aセンターが仲介(朝日新聞)

契約直前の「提案」、引き抜かれた5億円 日本M&Aセンターが仲介:朝日新聞デジタル (asahi.com)

朝日新聞・藤田知也記者の追跡記事です。

売られる会社の現預金を買収資金に当てる手法を用いてM&Aを実行していたケースとのことです。

もはや何を言っているのか分からなくなるかもしれませんが、買主の資金がないので、買われる会社から買主が事前にお金を借りて、その資金で株式譲渡代金やM&A仲介会社への報酬を支払うということのようです。そしてそのスキームを仲介最大手の日本M&Aセンターが少なくとも黙認していた(買主であるMJGからの意向を担当者が買主に伝えた旨の記載があります。)とのことです。

MJGは、商号変更を繰り返しており、日本マニュファクチャリングホールディングスと称していた時期もありますが、現在は日本製造となっているようです。同社の問題点については、朝日新聞やダイヤモンドオンラインなどで記事となっていますが、「会社法を無視した会社運営がなされている」「M&Aを資金繰りに使う手法を採っている」などと報道されており、内紛劇も取りざたされました。MJGによる買収により損害を被った企業は多く、当事務所にもご依頼者がおられます。

M&A仲介会社へ仲介手数料の返金を請求したい等、M&Aトラブルでお困りの方は、シャローム綜合法律事務所までご相談ください。詳しくは、下のバナーをクリックください。

(弁護士 中川内 峰幸)

東洋経済オンライン「ルシアン類似の新たなM&Aトラブルが起きていた」

東洋経済オンライン「ルシアン類似の新たなM&Aトラブルが起きていた」

髙岡健太記者の追跡記事です。有料記事ですが、是非ご覧ください。

ルシアン類似の新たなM&Aトラブルが起きていた 吸い上げた資金はどこへ、買い手の代表者を直撃 | 特集 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

流動資産のある企業を買収して、一元管理の名目のもと親会社へ資金を移動させて遺棄するという一連のスキーム、マニュアルが出回っているのではと推測していましたが、これだけ耳目を集めると、マニュアルなどなくとも模倣犯が出現しそうですね。早急な対応が要請されますが、ガイドラインの改訂や業界団体の自主規制だけでうまくいくでしょうか。

M&Aトラブルのご相談は、シャローム綜合法律事務所までお気軽にお問い合わせください。

(弁護士 中川内 峰幸)

「M&A仲介の罠Ⅲ 食い物にされる中小企業たち」(朝日新聞)

「M&A仲介の罠Ⅲ 食い物にされる中小企業たち」(朝日新聞)

朝日新聞の連載記事「M&A仲介の罠」(藤田知也記者)の第三弾配信が始まりました。

M&A仲介で事業承継、老舗の映像制作会社が8カ月で迎えた倒産危機:朝日新聞デジタル (asahi.com)

会員限定記事とはなりますが、是非ご覧ください。

ルシアンホールディングスは氷山の一角ということで、M&Aを利用して違法に利益を得ようとする悪徳業者は少なくないのでしょう。

M&A仲介業者の責任も無視することはできません。

ちなみに、業界団体の「M&A仲介協会」は、令和7年1月よりその名称を「M&A支援機関協会」へと変更するそうです。表向きの理由は、会員を仲介会社だけでなくFAやプラットフォーマーにも拡大するためとのことですが、この度の報道等により、「仲介」という言葉のイメージが低下したためではないかと考えてしまいますね。

同協会は、悪質な譲受事業者対策として、「特定事業者リスト」の運用を開始するということのようですが、「悪質なM&A仲介業者のリストも必要だ」という声も聞こえてくるのではないでしょうか。M&A仲介業者を訴えることはできないかというご相談も実際に増えてきております。

(弁護士 中川内 峰幸)

【裁判上の離婚事由】

【裁判上の離婚事由】

Q. 裁判上の離婚原因にはどのようなものがありますか?

A. 夫婦双方が離婚に合意すれば、離婚をすることができます。しかし、当事者の一方が離婚を拒む場合には、民法規定する離婚事由がなければ離婚することはできません。民法が規定する、裁判上の離婚事由は次のとおりです。


1. 不貞行為

不貞行為とは、婚姻している者が婚姻外の異性と自由な意思のもとに性的関係を結ぶことをいいます。なお、同性と性的関係を結ぶことは不貞とはならず、「婚姻を継続しがたい重大な事由」として考慮されます。


2. 悪意の遺棄

「悪意の遺棄」とは、正当な理由がないにもかかわらず、配偶者としての義務(扶養や協力、同居など)を果たさないことです。正当な理由は、別居した目的、別居による相手方の生活状況、生活費送金の有無、別居期間などを考慮して判断されます。


3. 3年以上の生死不明

配偶者が3年以上にわたって生死不明である場合も、離婚原因となります。居場所がわからないだけで生存がわかっているときには該当しません。


4. 強度の精神病

配偶者が回復の見込みのない強度の精神病にかかった場合も、離婚原因となり得ます。

ただし、精神病であっても不治である必要があり、入退院を繰り返していて、退院の度に生活に支障がない程度に回復している場合には該当しません。

また、配偶者が回復の見込みのない強度の精神病にかかったからといってすぐに離婚が認められるわけではなく、精神病を患う配偶者の療養、生活などについて具体的な調整をしていることも必要とされています。


5. その他、婚姻を継続しがたい重大な事由

「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、夫婦共同生活ができなくなって、その回復の見込みがないことをいいます。 例えば、長期間にわたる別居、暴力・虐待、不労・浪費・ギャンブル、モラハラや性格の不一致などが該当することがあります。これらの具体的事実を主張立証し、さらに、夫婦の関係の回復の見込みがないことも主張立証する必要があります。


まとめ

裁判上の離婚事由を主張する場合には、どこまで立証できるのかも問題となります。 離婚でお悩みの方は、シャローム綜合法律事務所にご相談ください。

 

(弁護士 山本祥大)

【M&Aトラブル】期間制限にご注意ください!

【M&Aトラブル】期間制限にご注意ください!

おかげさまで、M&Aトラブルのご相談を多く頂戴するようになりましたが、ここで皆様にご注意いただきたい点がございます。

M&A取引においては、表明保証違反やコベナンツ違反、あるいはM&A仲介業者に対する責任追及につき、期間制限を設けている場合がほとんどです。

これは、補償請求等がいつまでもなされる可能性があるとすると、当事者を不安定な状態に置くこととなることから、補償請求を行うことが可能である期間を限定する趣旨です。

そして通常は、クロージング後1年といったように、かなり短期間に設定されていることも多いと思います。

ですので、上記責任追及を検討されている場合でも、既に約定の期間を過ぎてしまい請求ができないという場合も実際にございます。

M&A取引においてはこのような時的制限という特殊性がございますので、M&Aトラブルでお困りの方は、なるべくお早めに弁護士にご相談ください。

(弁護士 中川内 峰幸)

【離婚後の氏】

【離婚後の氏】

Q. 離婚後、子の氏はどうなりますか?

1. 離婚後、親の氏はどうなる?

まず、離婚後、親の氏がどのように扱われるかを確認しておきましょう。

結婚時に夫または妻の氏に変更した配偶者は、離婚後、原則として元の氏(旧姓)に戻ります。しかし、離婚後も婚姻中の氏をそのまま使用したい場合は、離婚日から3ヶ月以内に「婚氏続称届」を役所に提出することで、婚姻中の氏を引き続き名乗ることができます。

離婚後3か月を過ぎた以降に、婚姻中の氏を名乗りたい場合は、家庭裁判所に「氏の変更許可審判」を申し立てる必要があります。

2. 子の氏はどうなる?

離婚後も原則として、子の氏は、婚姻中の父母の氏をそのまま継続します。たとえば、夫の姓を名乗っていた家庭が離婚した場合、子は、そのまま父親の氏を称し続けることになります。親権者が母親であっても、子の氏が当然に親権者と同じ氏になるわけではありません。

離婚後に、子の氏を復氏した親と同じ氏にしたい場合、家庭裁判所に「子の氏の変更許可審判」を申し立て、認容審判を得る必要があります。

 

(弁護士 山本祥大)

【調停前置主義】

【調停前置主義】

Q. 離婚したい場合に、いきなり訴訟を提起することはできますか?

A. 離婚を考える際、すぐに訴訟を提起することはできません。家事事件手続法257条1項により、離婚訴訟を提起する前に、まず家庭裁判所で「調停」の申立てをしなければなりません。このことを「調停前置主義」といいます。以下では、離婚を進める際の手順と、調停が必要な理由について詳しく解説します。


1. 調停前置主義とは?

調停前置主義とは、離婚訴訟を提起する前に必ず家庭裁判所での調停を経なければならないというルールです。これは、離婚の問題を当事者同士で解決することを優先し、双方の話し合いによって合意に達することを目指すためです。離婚調停が成立すれば、調停離婚として離婚が成立します。


2. 調停が不成立の場合

当事者間に合意が成立する見込みがない場合は、調停の不成立(不調)となります。調停不成立となったとしても、当然に訴訟に移行するわけではなく、管轄裁判所へ訴訟提起が必要となります。訴訟提起をするためには、既に調停を経ていることを明らかにする必要があるため、裁判所に調停の不成立調書を提出する必要があります。


3. 調停を避けることはできる?

調停前置主義によって、訴訟を提起する場合には、まず、家庭裁判所に調停の申立てをしなければなりません。ただし、「事件を調停に付するのが相当ではないと認められるとき」には、例外的に調停を経ずに、訴訟を提起することができます。例えば、相手方が行方不明の場合などが該当します。


まとめ

離婚を考える場合、すぐに訴訟を提起するのではなく、まず家庭裁判所での調停を経ることが必要です。離婚に関する手続きや調停、離婚訴訟でお悩みの方は、シャローム綜合法律事務所にご相談ください。

 

(弁護士 山本祥大)

【婚姻費用と自己破産】

【婚姻費用と自己破産】

Q. 婚姻費用の調停成立後に、義務者(支払う側)が自己破産をした場合、婚姻費用を請求することはできるのでしょうか?

A. 離婚や別居後、義務者(支払う側)が婚姻費用の支払い義務を負っている状況で、その義務者が自己破産をした場合、婚姻費用を請求できるかどうかについて不安になる方も多いでしょう。結論から言えば、自己破産をしたとしても、婚姻費用は支払い義務が消滅するわけではなく、請求し続けることが可能です。


1. 婚姻費用とは?

婚姻費用とは、夫婦が婚姻関係にある間に互いに生活費を負担し合う義務から生じる費用です。離婚していない場合でも、別居中であれば、収入の多い一方がもう一方に対して生活費を負担する必要があります。


2. 自己破産とは?

自己破産とは、借金や支払いが困難になった個人が裁判所に申立てをして、負債を免除してもらう手続きです。ただし、全ての債務が免除されるわけではなく、特定の種類の債務は免責(支払い義務の免除)されない場合があります。 自己破産によって免除されない債務の例として、以下のものがあります。

• 税金

• 養育費

• 婚姻費用

これらの債務は、破産者が自己破産後も継続して支払わなければならないものです。したがって、婚姻費用の調停が成立した後に義務者が自己破産した場合でも、受領者(婚姻費用を受け取る側)は引き続きその費用を請求することが可能です。


まとめ

義務者が自己破産したとしても、婚姻費用の支払い義務は免除されません。婚姻費用は子どもの生活費や配偶者の生活維持に重要な役割を果たすため、非免責債権として扱われます。

 

(弁護士 山本祥大)