公務員の破産
公務員の方から借金問題のご相談を受けることが、結構な頻度であります。公務員とはいえ民間人と何ら変わらず、日常的にクレジットカードを利用しますし、住宅ローンを組みますし、奨学金を借りていた方もいるでしょうし、また消費者金融から借入も行いますので、何らおかしな話ではありません。
ただ、公務員の方に特有の事情があるようですね。すなわち、皆様官報に掲載されることを強く懸念される傾向があるようです。自己破産の場合には2回、個人再生の場合には3回掲載されますが、職場によってはこれをチェックしている部署があるというお話も伺ったことがあります。
さて、自己破産を申立てたという事実は、何ら公務員の欠格事由にあたりませんので、これをもって免職となることは法律上ありません。
しかし皆様、破産だけはどうしても避けたいようで、個人再生を選択される方がほとんどです(あるいは、可能であるならば任意整理。)。自己破産をすることが出世に響いたり後々の異動に繋がったり、あるいは職場にいづらくなるのか、様々なご事情があるのでしょうが、とにかく公務員の方は破産を回避する傾向が強いですね。実際に、自己都合退職してから自己破産手続をとられたご依頼者もいらっしゃいました。私は公務員の経験がありませんので、このあたりの心理はなかなかに謎です。
いずれにせよ、自己破産が事実上無理であるならば、個人再生や任意整理を検討することになります。その場合、公務員の方々に気をつけていただきたいのが、共済です。共済組合からの借入をしている方が非常に多いです。
公務員の場合は共済が緩い審査でポンポン貸してくれるから、「何とかなるだろう」と思って債務が増大するのではないかと私なんかは思うのですが、とにかく共済からの借入をしている方がかなりの確率でいらっしゃいます。
この共済も債権者ですので、自己破産や個人再生を利用する場合には、弁護士から受任通知を送らなければなりません。そして、共済への返済は通常、給与からの天引きで行われているところ、弁護士介入後は共済に返済してはいけませんので(偏頗弁済となります。)この天引きを止めるように手配をしてもらう必要が生じます。ですので、その流れで結局職場に債務整理を行うことが知られてしまうということになります。これを避けるためには、共済を除外して、それ以外の債務を任意整理で片づけることができるかを検討することになります。
当事務所では、市役所・区役所の職員、警察官、消防士、市バス運転手、学校教員など、現業・非現業に関わらず、公務員の方々の債務整理をお手伝いした実績が多々ございます。
公務員で借金問題にお悩みの方も、神戸のシャローム綜合法律事務所までお気軽にお問い合わせください。相談は無料です。詳しくは、下のバナーをクリックください。
(弁護士 中川内 峰幸)