むち打ち

交通事故で最も多いのはむち打ちです。

赤信号待ちをしていたところ、後ろから追突されたというような場合、首に強い衝撃がかかることにより捻挫となります。

これがむち打ちです。診断書には「頸椎捻挫」や「外傷性頸部症候群」などと書かれることが多いでしょう。

ただ、一口にむち打ちと言っても様々なバイオメカニズムがありまして、頸椎捻挫から脳脊髄液減少症まで症状は多岐に渡ります。

また、長期間にわたるむち打ち損傷は精神的なものが原因と言われることも多いのですが、それは、上記のとおり症状に多くの分類があることに加え、むち打ち損傷は画像診断などの他覚的所見に乏しいことが多いことに起因するのでしょう。

医療現場においても、患者に対してどのような治療を行うかにつき、医師によって区々なところもあります。 むち打ちの場合、後遺障害等級認定に至らない軽度の障害に終わることも多いと言えます。

頸椎捻挫が治った後も、頸部痛・手のしびれ・腰痛・足のしびれ等の症状が残存することが多いですが、後遺障害等級では、最も軽い14級9号か非該当となる場合がほとんどです。

しかし、14級9号になるか非該当になるかによって、損害賠償の金額には大きな違いが生じます。

後遺障害慰謝料としては110万円の増額となりますし、逸失利益も、労働能力が5%喪失したとして、67歳まで働いた場合に得られるはずであった収入を請求できます(もっとも、むち打ちの場合は、14級では5年程度に制限する例が多く見られます。) いずれにせよ、適正な等級認定を獲得して損害の回復を図ることが重要です。

軽度の障害と思われる場合であっても、時間をおいて症状が出ることもよくありますので、必ず一度は整形外科に受診されることをお勧めします。